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新 勝手にコム論

元宝塚歌劇団雪組トップスター朝海ひかるさん!舞台道を走り続ける朝海さんのちょっぴり昔の記録です^^

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『蜘蛛女のキス』~映画語り 最終章3

わたるさんがどんどん壊れていっています。
そこで朝海さんもとうとう行動を起こしますよ!
(もう役名で語れなくなってます)(危)



「花形女優と新聞記者の恋」3


実業家に頼りきりの生活が恥ずかしくなった女は
ついに実業家と別れ、また仕事を始めようと決心した。
彼女は歌手としてナイトクラブで歌うことになった。

その夜、まだ準備中のクラブに立った。
久しぶりのステージに、手が震えてしまう。
しかし彼女はとても優しい目をして、
静寂の中、ピアノの音をバックに歌いだす。
青年のことを思いながら・・・


いなければ忘れると誰もが言う
けれどそれは本当じゃないと
あたしはあなたに誓います
あなたと過ごした最後のときから
あたしの人生は辛く悲しいことばかり
あなたはその瞳で
あたしの中に見つけた気まぐれな世界を盗んで
自分のものにした


あんなに愛し合っていたのに
なぜあたしを捨てたの
あなたは知ったはずなのに
あたしの狂おしい胸の内を
あなたはたとえ遠くにいようとも
きっと泣いている
あたしが捧げた愛に似た
そんな愛を求めて・・・



歌い終えた彼女はすっかり物思いに沈んでしまった。
けれど準備中のスタッフからは
割れんばかりの拍手が贈られるのであった。

彼女は満ち足りた気分で楽屋に戻った。
自分がまた仕事をしていること、
実業家と手を切ったことが
青年に伝わるだろうと思ったのだ。

しかしそこに大実業家が現れ、
彼女の再デビューを前にナイトクラブを買い取り、
そして店をたたむよう命令したのだ。
実業家は彼女を取り戻すため、
彼女が自分の手を離れては生活できないことを
分からせようとしたのだった。

彼女は強かった。負けなかった。
彼女は条件のいい仕事ができるまで
どんな仕事でもしようと堅く決心するのだった。


その頃、青年は働き口を捜していた。
記者クラブのブラックリストに載っていたため
記者としてはもう働くことができなかった。
飲んでばかりいた彼は人相も悪く、
なかなか雇ってもらえずにいた。
やっと見つけた仕事は製材所の人夫。
しかしアルコールで体がぼろぼろだった青年は力尽きてしまう。
そして遂に、青年は気を失い病院に運ばれてしまうのだった。

病床の青年は熱に浮かされながら
彼女の名前を呼んだ。
仕事仲間が彼の手帳から調べ、例のアパートに電話をかけた。
もちろん彼女はもうそこにはいなかった。
しかし親切なメイドが、今は安い下宿屋で暮らしていた彼女に
伝言を送ってあげるのであった。

彼女はすぐに彼のもとへ飛んでいこうとした。
しかし彼女には切符代が払えなかった。
彼女は下宿屋の管理人にお金を借りようとしたが、
取り合ってはくれなかった。
他に頼るところのない彼女は何とかもう一度頼み込んだ。

管理人はお金を貸すことを承諾した。
条件付で。

管理人の男は彼女の部屋に入り、
彼女は男の魔の手に落ちた・・・



病院にいた青年は日に日に回復していった。
しかし医者は二度とお酒を飲まないこと、
栄養のある食事を取って、
体を休めなければならないと告げた。
一文なしの彼にどうやって・・・

そのとき青年の目に信じられない姿がはっきと飛び込んできた。
全く飾り気のない白いワンピース。
髪は後ろで束ねているだけ。
それでも彼女はとても輝いていた。

青年は彼女が大実業家から与えられる贅沢な生活から
縁を切ったことを初めて知るのだった。

彼女は自分の目が信じられなかった。
お酒のせいで彼は別人に変わってしまっていた。
彼女の目にはみるみる涙が溢れ止まらなかった。

退院しても良いという医者に
行くところがないと答える青年。
彼女は彼に告げた。
庭付きの家があると。
すごく小さいけれど
椰子の木陰にあって
海からの潮風が心地よいからと・・・

彼女は郊外に一軒の家を借りていた。
彼女は青年を庭のハンモックに寝かせてやると
2人は手を握り合い、じっと見つめ合った。

君がここにいてくれる嬉しさですぐに治るよ。
治ったらいい仕事を見つけるよ。
君に負担はかけたくない。

彼女は答える。
心配しないで。
あなたがすっかり良くなるまでは働きには出させない。


2人は黙って愛情のこもった目で見つめ合った。

青年は囁くように歌った。


この幸せを他人には言いたくはない
言っても分かりはしないから
でもぼくの心の中では叫び声を上げている
生きること
愛することへの切なる願いが・・・
ぼくは幸せだ
君はぼくを愛している
ぼくの愛はそれ以上
君を深く愛するぼくは
過去のことは忘れてしまった
そして今日 ぼくは幸せを味わっている
なぜなら君がぼくのために
泣くのを見たから・・・




……to be continued.




瀕死のわたるさんです(泣疲)
そしてとうとうコム嬢はひひ爺の手にかかってしまいました。
爺さんは今日初めて出てきたっていうのに
オイシイところを持っていきましたね(違)
そうだな・・・
『睡れる月』の変態上様役がとってもGJでいらした一樹千尋さんにお願いしましょう。
あの時もコムちゃんのことを狙っていましたものッッ(力説)
あの時はカシ兄ちゃんが救ってくれたんだけど、
瀕死のわたるさんはそれどころじゃなかったみたいで・・・(だから違う)

次で本当に最終回です^^

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切ない…(;-;)

なんて切ないお話なんでしょう…もう涙で画面が見えません!
と、言いつつひひ爺のキャストが気になって気になって…(笑)
色んな方を想像して読み進めると…
一樹さんですかっ!!なるほどっ!確かに狙ってましたねぇ~。
死ぬ直前まで狙ってましたね(爆)
さすがは論者様!絶妙なキャスティングに萌えまくりっス!!
脳内変換は完璧なので、もの凄く楽しませて頂いております。
わたさんを想いながら歌うコムさん…泣けますっ!!

次回は最終回ですか…。淋しいです(泣)でも楽しみです(笑)
執念深い水実業家さん。もう諦めてくれたのでしょうか?気になる!!


  • toko さん |
  • 2007/04/22 (00:49) |
  • Edit |
  • 返信

掌中の玉

toko様。
組内配役がよろしかったでしょうか・・・?^^
小説には「50代」とありましたので
専科の方のお力をお借りしました(笑)
「死ぬ直前まで狙っていた」(爆笑)
よく観察してらっしゃいます^^
その通りですね。
「掌中の玉」と言うときのあの一樹さんの狂気ッッ!!
忘れる事ができません。
  • 論者 さん |
  • 2007/04/22 (15:36) |
  • Edit |
  • 返信

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